『ロールかすていら』と権太坂と『おじぞうさんもなか』【和菓子をめぐる街道の旅】東海道04保土ヶ谷宿

和菓子

04保土ケ谷宿

ルートマップ<保土ケ谷宿〜戸塚宿>

保土ケ谷宿 江戸方見附

帷子橋から江戸方見附

旧帷子橋

うさぎやを後に洪福寺松原商店街を抜けて保土ヶ谷宿に入る。江戸方見附跡から進んで右手に橘樹神社。帷子橋を渡ると正面に相鉄線天王町駅が見えてくる。

駅の南側に旧帷子橋のモニュメントがあり、河川改修される前の帷子川は駅のこちら側を流れていたことを示している。広重の東海道五十三次『保土ヶ谷 新町橋』の題材になった橋だ。新町橋は帷子橋のこと。

御菓子司 保寿堂

御菓子司保寿堂は明治43年の創業時からの製法を守る『ロールかすていら』で知られている。見た目の派手さはないが味で勝負。一度食べるとハマる人が多いらしい。

『ロールかすていら』のサイズは「1本」と「半分」の二択。「半分」は20センチくらいで「1本」はその2倍。

ケーキ(カステラだけど)を買ったときはちょっとしたイベント感があって持って帰るのは苦にならないけれど、そのあと何時間も歩くとなると話はちがう。二切れくださいというわけにもいかず、ザックの中でつぶれないように箱入り「半分」(850円)を選んだ。味はオーソドックスなタイプ。店主は「黄色いほうですね」と言っていた。風味は普通と抹茶と黒糖の3種類がある。

カステラはもっちりした食感で生地の目が詰まっている。うずまきの蜜もしっとりと甘い。「もうスポンジタイプのカステラには戻れない!」というネットのクチコミを見たけれど、甘さも食感も均質な一般的なカステラと比べたらメリハリがある。たしかにこれはハマるかも。次に来たときは抹茶にしようと早くもリピーターになろうとしている自分に気づく。

ちなみに保寿堂はふつうの和菓子や焼き菓子も作っている。それと、『ロールかすていら』は端っこもおいしい。

金よ志

JR保土ヶ谷駅の自由通路を使って線路の反対側へ移動する。次の店は東口商店街アーケードの軒下にある金よ志だ。近所の人が買い物のついでにおやつを買うのにちょうどいいこぢんまりした店。サッシ戸を開くと店の人(おばあちゃん)が出てきた。ショーケースには大福やどら焼きや団子など。

「何にします?」「えーと、ね」というやりとりのあと、途中で食べるつもりで『栗まんじゅう』(1個170円)『ポテト』(1個170円)『水ようかん』を選んだ。

金沢横町と「かなざわかまくら道」

「保土ヶ谷駅東口バスターミナル」の交差点から右へ曲がって旧東海道へ戻る。この通りは保土ヶ谷宿と金沢文庫を繋ぎ、朝比奈切り通しを経て鎌倉へ至る鎌倉街道の一部だ。Googleマップの表示では「かなざわかまくら道」。

Googleマップは数年前にゼンリンとの契約見直しで”地図情報の劣化”問題を起こしたが、現在はとくに問題はない(ように見える)。ある日を境にプロットされていたはずの物件やバス停が消えてしまうのは困るが、個人的には地図アプリには実用的な情報より付加的情報の充実を期待したいのでGoogleにはもっとがんばってほしい。道をぐっと拡大したとき道祖神やお地蔵さんが載っていたほうがたのしい。

旧東海道との出会いは金沢横町と呼ばれて番所があったところ。保土ケ谷宿お休み処になっていて道標が4基並べられている。

苅部本陣跡、上方見附

JRの踏切を渡って国道1号線と合流する。

横断歩道を渡った突き当たりにある建物は苅部本陣跡。保土ヶ谷宿の本陣はここ1軒だ。

消防署の前に脇本陣水屋跡の標柱。旅籠の本金子屋跡を見ながら進むと今井川沿いの遊歩道に宿場の終わり(エリア)を示す上方見附土居が復元されている。土居は分間絵図などにも記されていてサイズ感は資料で分かっているつもりでいても、こうして石積みされたものを見ると実感が湧く。

権太坂から不動坂

国道1号線から外れて静かな旧道へ入る。樹源寺の前を通って「元町ガード」交差点を左折するといよいよ権太坂だ。

権太坂

権太坂は江戸を出て最初の難所といわれた旅人泣かせの坂。近くには行き倒れた人や牛馬を捨てた投げ込み塚もある。ガイドブックや個人blogを読むと、そうはいうもののそれほど大した坂でもないみたいな書き方をされることが多いけれど、たしかにそれは言えていて、住宅地の坂としてはちょっと長いかなというくらい。

権太坂という名称は、昔旅人が土地の人に坂の名前を尋ねたところ、耳の遠い老人が自分の名前を聞かれたと思って「権太」と答えたのが由来という。わりと有名な話で一度聞いたら忘れないし誰かに話したくなるエピソードだ。ねえねえ、これって知ってる?というやつ。

江戸時代には松林だったという周囲の面影はなくなっているが、坂上の境木の高台は空が広くて気持が良い。

境木立場と地蔵尊

境木の住宅地を進むと道路沿いに一本の楠が見えてくる。境木立場は武蔵国と相模国との境界で西方に富士山、東方には横浜の海。眺望が良く権太坂を上って一息ついた旅人がここで休憩をとった。手前右手の風格がある黒塀の建物は当時の立場茶屋の若林家。立場屋を屋号として名物のぼた餅を売っていた。

境木地蔵尊は、その昔鎌倉腰越海岸に流れ着いた像をお告げで江戸へ運ぶ途中この地で動かなくなったのでここへお堂を建てて祀ったのが始まりとされる。建立は万治2(1659)年。

菓匠栗山

菓匠栗山は境木立場近くの境木商店街にあって入口で小さなお地蔵さまが迎えてくれる。お地蔵さまにはなぜかお賽銭。季節の花も添えられている。

栗山の品揃えは豊富でどれもみなおいしそうで迷うが、境木地蔵にちなんだ『境木おじぞうさんもなか』(1個200円)と焼き菓子の『一里塚』(1個230円)を選んだ。

『おじぞうさん最中』は小倉あんと白あんの2種類で求肥入り。半分に割ると求肥はそれほど目立たないけれど口に入れるとしっかりと存在感がある。外皮にアーモンドが使われているという『一里塚』は、アーモンドが黄味あんの甘さをひきたてている。新子安の桃太郎『神奈川ピーナツ饅頭』もそうだったけれど、豆類を混ぜて風味付けした餡はおいしい。

品濃焼餅坂

境木地蔵から焼餅坂を下り、品濃焼餅坂公園で金よ志で買った『ポテト』と『栗まんじゅう』を食べる。

食べる前にはまず撮影。隣のマンションから見下ろされている気もするが構わずにバンダナをベンチに敷いて菓子を置く。品川宿のときは太巻きや煎餅を空腹の勢いで食べ始めてしまい、写真を撮っていないことに途中で気づくという失敗があった。

なので今回は気をつけたつもりでいたが、ポテトとまんじゅうがあるから『水ようかん』の写真はなくてもいいかなと思ってそのまま食べてしまったら、三つのうちでこれがいちばんおいしかった。喉ごしというか口当たりというか、つるんとした食感が暑い日には心地よい。『ポテト』も『栗まんじゅう』ももちろんおいしかったけれど。

品濃一里塚

焼餅坂を下りきって品濃坂へ向かうと切通しの両側に品濃一里塚。街道筋にあるこんもりしたタイプではなくこの小山全体を一里塚と呼んでいるようだ。見上げるほどの高さがあり、一里塚としてはひじょうに大きい。傍らの解説板によると”現存する”とされているが、個人的には?である。

右手の脇道を登っていくと公園が整備されているがこの日は改修工事中だった。

大山道柏尾道追分 不動坂

福寿観音の脇を通って環状2号線を渡り、さらに住宅地の中を下って国道1号線と合流。大山道柏尾不動堂がある大山街道を左に分けて不動坂を下っていくとイオン駐車場の前にある戸塚宿の江戸方見附にたどり着いた。

次回は戸塚から藤沢まで。

2021年9月19日

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