せんべいは旅の行動食!?【和菓子をめぐる街道の旅】東海道01品川宿

和菓子

01 品川宿

ルートマップ<品川宿〜川崎宿>

北品川

北品川本通り商店街

八ツ山橋から京急線の踏切を渡って北品川本通り商店街に入るとクルマの音から解放されて静かな街道歩きが楽しめる。

品川宿の道幅は江戸時代と変わらない

品川宿は旧東海道時代から道幅が変わっていないため、通りの両側に並ぶ商店やマンションを旅籠に置き換えて想像すると当時の宿場の光景が目に浮かぶ。

問答河岸跡

最初のチェックポイントは「問答河岸跡」。八ツ山通りへ下りていく通りの角に標柱が設置されている。

「問答河岸跡」と八ツ山通りへ下る道 ここは海抜5.6m 八ツ山通りは2.6m

問答河岸とは船着き場のことで、実際はこの標柱から少し南に下った場所にあった。

現在の八ツ山通りは埋め立て地に作られた道路なので、写真に移っているトラックの辺りは海だったことになる。品川宿には道路の幅や高低差などにかつての面影が残っているため細部にこだわって観察するといろいろ発見があって面白い。

「せんべい処 あきおか」

品川宿一軒目の店は「せんべい処 あきおか」。細長いあられに海苔を巻いた『品川巻き』が有名な煎餅の専門店だ。

とりあえず『品川巻き』を手に取り、それだけではさみしいので何かほかにもと店内を見回しているとカウンターの向こうのお母さんと目が合った。「最近は『品川巻き』なんていって、海苔を巻いてある方が高級感もあるし名物にもなっているけど、ウチはもともと醤油で焼いたふつうのせんべいで始めた店なのよ」とのこと。

へえ、そうなんですか?ということで『醤油せんべい』もを購入し、さらにザラメや胡麻せんべいの詰め合わせも買い込んだ(4品合計 税込1,365円)。

「伊勢屋」

品川神社の参道を左に折れると「木村屋」「伊勢屋」と和菓子屋が2軒並んでいる。

「木村屋」は臨時休業でシャッターが下りている。隣の「伊勢屋」『どらやき』『豆だいふく』『太巻き』を購入し、街道を少し戻って品川宿本陣跡の聖蹟公園で休憩を取った。『太巻き』は甘めの味付けの具が疲れたカラダにしみる。冷たいお茶を飲んで一息ついたところで「あきおか」のせんべいを取り出し、海苔、ザラメ、胡麻の順に食べる。しょっぱい→甘い→しょっぱいのループが心地よい。

関東スタイルの米粉で作ったせんべいは、つぶした団子を焼いて農民がおやつに食べていたものがルーツだというから、せんべいはもともとアウトドアの食べ物だ。日持ちがよくて軽くて塩分補給もできるとなれば行動食としても優れている。小腹が空いたときにちょうど良いし土産物としてもOK。せんべいが宿場の人気商品だったという話がここで腑に落ちた。

ちなみに「あきおか」のルーツである「醤油で焼いたふつうのせんべい」が一般的になったのは幕末の頃からで、それ以前は生地に塩を練り込んで味付けしたものが一般的だった。

「木村屋」

ここから7月24日。京急線新馬場駅から歩き始める。先日臨時休業だった「木村屋」をのぞいてみると午前9時前なのにすでに営業している。『水ようかん』ならすぐご用意できますと言うご主人を前にショーケースを見ると『品川寅焼き』(1個150円)が目についた。2個包んでもらって南品川へ向かう。

南品川

品川橋

歩道が広い品川橋

品川橋目黒川を渡る。品川橋は「中の橋」或いは「境橋」とも呼ばれて宿場を南北に分けるランドマークだった。広い歩道にはひと休みできるベンチや宿場の解説板がある。

「冷たい水まんじゅうあります」という「伊勢屋」、「ピリ辛閻魔いなり」の「遠州屋」はまたの機会に譲って品川宿場通り南会商店街を進む。

品川寺

品川寺の創建は1300年前

品川寺(ほんせんじ)は平安時代前期(806頃)の創建。品川区でもっとも古い寺で品川という地名の由来になっている。山門左手にある地蔵菩薩は江戸六地蔵のひとつ。頭に傘をかぶっていたが関東大震災で失われてしまった。路傍によくある道祖神タイプのお地蔵様をイメージしていくと座像は見上げる大きさでちょっとしたインパクトがある。

品川寺の隣の海雲寺辺りで宿場を外れ、鮫洲八幡神社前を通って泪橋(浜川橋)を渡ると鈴ヶ森刑場跡先「鈴ヶ森交差点」で旧東海道は再び第一京浜と合流する。

途中品川区民公園で「木村屋」の『品川寅焼き』でおやつ休憩をとった。どら焼きは黒糖を使った餡に栗が入り、外側のカステラ生地は名の通りトラ模様になっている。ひと口めからおいしくてあっという間に2個を完食。このあたりで行程の1/3程度。美原不動の前を通って商店街を進む。

「御菓子処 大黒屋」

品川宿3軒目は「御菓子処 大黒屋」。店頭に「大森名物江戸前のり大福」という幟が掲げられている。「今日中にお召し上がりください」という『のり大福』(1個160円/税抜)を2個購入。

先代が考案したという大福は、もっちりやわらかい餅に包まれた漉し餡が上品で海苔の香りが効いている。帰宅してからもっと買ってくれば良かったと思った一品。大きすぎないのも良いです。

「御菓子司 餅甚」

環七通りを越えて美原通りをさらに進み「御菓子司 餅甚」へ。

「御菓子司 餅甚」は享保元(1715)年の創業

「御菓子司 餅甚」は享保元(1715)年から大森に店を構える老舗。初代甚三郎が駿河の安倍川出身であったため「駿河屋」を屋号としてきたが明治時代に「餅甚」と暖簾を改めた。

街道筋の茶店として代々「あべかわ餅」を提供してきた歴史を思えばここはやはり「あべかわ餅」を買うべきだと思うが、持ち帰りに便利な箱詰めはそこそこ分量がある。日持ちを尋ねると「ふつうなら2~3日は大丈夫だけど、この暑さだからねえ」とのことなので『大納言かの子』(1個140円/税込)と『すあま』(1個120円/税込)を2個購入。彩りが鮮やかな『黄味しぐれ』(1個150円/税込)もついで買いした。

赤い欄干の内川橋を渡って羽田道(するがや通り)への分岐を左に分け大森警察署の先からおなじみの第一京浜へ出る。第一京浜は本日のゴール川崎宿まで続く。

「餅甚」の『すあま』梅屋敷公園でひとついただく。雑煮の餅のようにぐにゅーんと伸びて歯にくっつくような粘る食感とほんのりした甘さはすあま特有のものだ。コンビニのすあまもおいしいけれど和菓子屋のものはやはりひと味ちがう。

「和菓子 司志ら井」

「うまい」「だんご」を超アピール! 赤飯 いなり 海苔巻きも安くてうまい!

夫婦橋で呑川を渡ると京急蒲田に到着。「和菓子司 志ら井」は第一京浜のだだっ広い通り沿いにある。嘉永元(1848)年創業の当店は団子が名物だ。値段は1本90円。炎天下を歩き続けて来たカラダは「あんこ」より醤油味を求めている。元気なお母さんに『みたらし団子』を包んでもらった。

「うまいコシヒカリの「自家製粉」だんご」という謳い文句のとおり『みたらし団子』は焼き目が香ばしくてもっちりと柔らかい。濃いめのタレも旅人向きで元気が出る。食べ終わってからやっぱりあんこも買えばよかったと思った。

六郷神社 六郷橋

六郷神社は天喜5(1057)年の創建 六郷の總鎮守
六郷橋から下流の眺め 多摩川を渡ると東京都から神奈川県に入る

川崎宿まであと3km。六郷神社で30分の休憩を取り、熱中症の気配を感じつつコンビニで買ったロックアイスを首の後ろにあてながら歩く。六郷橋で多摩川を渡って13時過ぎに川崎宿へたどり着いた。

六郷神社には旧六郷橋の親柱や貞享2(1685)年に奉納された狛犬、梶原景時が寄進した伊豆石の太鼓橋など興味深い文化財がいくつもあるのだけれど長い話になるのでまたの機会(もしあれば)に。

2021年7月22、24日

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